幅広い知識の取得と自由に議論できる場を活用しよう

柳原会長

 原子力施設の廃止措置とは、施設に掛けられている規制を解除することにより土地や施設を自由に活用するための取り組みです。別の見方をすると、施設に存在する機器や構造物を、放射性廃棄物とそうでない物(有価物)に分類するための活動です。放射性廃棄物に分類されたものは放射性廃棄物の処分場に処分すること、また、有価物に分類されたものは様々な形で再使用・再利用することを前提にしています。
 近年では、日々の生活でも「循環型社会の形成」という、廃棄物を出来るだけ少なくして環境負荷を低減すること、また、資源を有効利用することが求められています。廃止措置は施設の解体のみでなく、循環型社会の実現、跡地の有効利用を見据えた活動です。安全を確保した上で出来るだけ合理的に工事を進めることが重要で、プロジェクトマネジメントが要諦になります。さらに、放射性廃棄物対策を考えると社会的受容性など、技術だけでは解決できない問題もあります。
 研究会では、様々な技術分野における知識の習得、技術の蓄積・適用と検証、過去の実例の具体的調査など、幅広い視点から勉強することが出来ます。また、疑問に思うこと、人に伝えたいことなど、自由に議論できる場を用意しています。 研究会に参加される皆さんには、これまでの研鑽を基に、研究会での知識習得とともに多くの仲間と議論することにより技術センスを磨き、廃止措置の専門家として飛躍されることを期待しています。